エンキョリレンアイ
- 作者: 小手鞠るい
- 出版社/メーカー: 世界文化社
- 発売日: 2006/03/02
- メディア: 単行本
- クリック: 12回
- この商品を含むブログ (39件) を見る
こういう気持ちで恋愛をしていた頃もあったなあ。ひた隠しにしていた相手、その彼とのメールでのやりとり、そういったものがストーリーに似ていて、そう思い出すと切なくて、切ないという感情がまた自分のなかに芽生えることに驚いた。
主人公、花音の親友のことば。
―ねえ、カノちゃん、教えて。どうして人は人を、好きになったりするんだろう。悲しくなるとわかってて、淋しくなるとわかってて、そんな恋でも、平気で踏み込んでいってしまうのは、なぜ。恋ってそんなにすてきなもの?だったらなぜ、恋すると、こんなにたくさん涙が出るの?
花音へのあのひとからのメール。
でもね、カノちゃん。怒りはやはり、怒りでしかない。
そして、怒りというマイナスの感情は、抱けば抱くほど、怒りそのものに、
さらにネガティブなパワーを与えてしまうのです。
つまり、今のカノちゃんは、自分で自分の怒りに負のパワーを与えている。
(中略)
答えは、怒りのエネルギーを別のこと―実践的な行為や解決方法に
つながる行動に注いでいくということです。
状況そのものは、変えられない。だからといって投げ出す必要もなく、
あきらめる必要もない。今置かれている状況の中で「できることをする」
ということです。
自分が具体的にできること、実行可能なこと、
その「行為」にエネルギーを注いでください。
そうしているうちに、怒りはパワーを失っていくでしょう。
あのひとからのことば。
人の気持ちというものは、他人には絶対にわからないし、理解できない。最終的にはその人だけのものだということです。
(中略)
冷たい考え方のようですが、これは真実だと僕は思っています。どんなに相手のことを思っていても、別の人間である相手には、その思いは「わからない」のです。そして、どんなに深く、一生懸命相手のことを思っていても、その相手が同じくらい自分のことを思ってくれているのかどうか、それも、わからないのだと思います。
しかし、ひとつだけ、わかることがあります。それは自分の気持ちです。自分の気持ちだけは、わかりすぎるほど、わかります。
http://book100.g.hatena.ne.jp/ (13冊/20冊)