エンキョリレンアイ

エンキョリレンアイ

エンキョリレンアイ

背表紙が目に留まって図書館で借りた本。三部作ということも知らずに借りてた。
こういう気持ちで恋愛をしていた頃もあったなあ。ひた隠しにしていた相手、その彼とのメールでのやりとり、そういったものがストーリーに似ていて、そう思い出すと切なくて、切ないという感情がまた自分のなかに芽生えることに驚いた。

主人公、花音の親友のことば。

―ねえ、カノちゃん、教えて。どうして人は人を、好きになったりするんだろう。悲しくなるとわかってて、淋しくなるとわかってて、そんな恋でも、平気で踏み込んでいってしまうのは、なぜ。恋ってそんなにすてきなもの?だったらなぜ、恋すると、こんなにたくさん涙が出るの?

花音へのあのひとからのメール。

でもね、カノちゃん。怒りはやはり、怒りでしかない。
そして、怒りというマイナスの感情は、抱けば抱くほど、怒りそのものに、
さらにネガティブなパワーを与えてしまうのです。
つまり、今のカノちゃんは、自分で自分の怒りに負のパワーを与えている。
(中略)
答えは、怒りのエネルギーを別のこと―実践的な行為や解決方法に
つながる行動に注いでいくということです。
状況そのものは、変えられない。だからといって投げ出す必要もなく、
あきらめる必要もない。今置かれている状況の中で「できることをする」
ということです。
自分が具体的にできること、実行可能なこと、
その「行為」にエネルギーを注いでください。
そうしているうちに、怒りはパワーを失っていくでしょう。

あのひとからのことば。

人の気持ちというものは、他人には絶対にわからないし、理解できない。最終的にはその人だけのものだということです。
(中略)
冷たい考え方のようですが、これは真実だと僕は思っています。どんなに相手のことを思っていても、別の人間である相手には、その思いは「わからない」のです。そして、どんなに深く、一生懸命相手のことを思っていても、その相手が同じくらい自分のことを思ってくれているのかどうか、それも、わからないのだと思います。
 しかし、ひとつだけ、わかることがあります。それは自分の気持ちです。自分の気持ちだけは、わかりすぎるほど、わかります。

http://book100.g.hatena.ne.jp/ (13冊/20冊)