Q&A
- 作者: 恩田陸
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2004/06/11
- メディア: 単行本
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それとは別に、事件によって宗教法人ができたという話も。
そうなの。人間ってね、嫌なことは自分のせいにしたくないの。気分の悪いことや、嫌いなことは、他人のせいにしたがるのよ。人を殺すのって、嫌なことでしょ。だけど、殺さなきゃ困ることとか、殺したほうがその人にとって得することとか、沢山あるわけよ。その時に、神様がいるととても便利なの。神様に命令された、とか神様のために、とか神様の名において、とか言えるでしょ。
人を殺す場合だけじゃない。何かとてもひどいことがあっても、誰かのせいにできないとつらいでしょ。自分のせいだなんて、絶対に思いたくない。誰かのせいだって考えることって、とても気が休まることなんだもの。後悔や反省よりも、人を憎むほうがずっと楽。そういう時に、神様がいるの。あたし、分かったの。人は他人を殺す生き物なの。だから、人を殺しやすくするために神様をつくったのよ。
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