名もなき毒

名もなき毒

名もなき毒

前に読んだことある気がするような、ないような、と思ったら、シリーズ(といっても2冊だけど)で前作を読んでいた。
無差別殺人事件。トラブルを起こしてばかりのバイトの女性が引き起こす別事件。シックハウスや土壌汚染。
いろんな毒。

「こんなにも複雑で面倒な世の中を、他人様(ひとさま)に迷惑をかけることもなく、時には人に親切にしたり、一緒に暮らしている人を喜ばせたり、小さくても世の中の役に立つことをしたりして、まっとうに生き抜いているんですからね。立派ですよ。そう思いませんか」
「私に言わせれば、それこそが"普通"です」
「今は違うんです。それだけのことができるなら、立派なんですよ。"普通"というのは、今のこの世の中では"生きにくく、他を生かしにくい"と同義語なんです。"何もない"という意味でもある。つまらなくて退屈で、空虚だということです」

100冊読書(24冊/50冊)