あなたの呼吸が止まるまで

あなたの呼吸が止まるまで

あなたの呼吸が止まるまで

来年中学生になる十二歳の朔。父親と二人の生活で家事をする、でも年齢相応の幼さも並存。
朔の父親が話す、ある映画についての意見。

「(略)主人公の三十過ぎの男と少女の恋の話でね。べつに主人公はその少女に変なことはしないで他愛ない恋人ゴッコをしてるだけなんだけど、(中略)それは大人の側の未熟さの問題で、二人が恋で成長していくんじゃなくて男だけがどんどん精神的に退行していくような印象を受けたんだよ。その少女は一見すごく大人っぽいんだけど、六年も先の二人の未来を約束して信じ切ったり、一度、その男が会いに来ないだけで寝こんだりして、その純粋さっていうのは本人にとってじゃなく、扱う大人の側にとって非常に危ういものだと思うんだ」

朔へのアドバイス

「体の声に耳を傾けて、じっくり思考して、体にも心にも気持ちが良くて正しいと思えるものを選んで。いったん選んだら堂々として、それを信じてあげるんだ。そうしていれば大丈夫だから。朔ならきっとできるよ」

http://book100.g.hatena.ne.jp/(11/20冊)